CD時代の終焉

いつの間にか時代が大きく変わっていたなっていうことがある。自分も無意識のまま、ただ時代の流れに沿って歩んでいる。新しい電化製品やマスメディアは特にそう。初めは真新しく感じるが、1年たつとそれがなかった時代を忘れてしまう。

私はYoutubeをほぼ毎日見る。TwitterやInstgramも。以前は家に帰ると、特に見たい番組もないのにテレビの電源を入れるのが習慣になっていた。今は必要なければつけもしない。布団に倒れこみながら見るのはスマートフォンだ。Twitter,Instgram,Youtubeの順にみるのがお決まり。大学に入ってからスマフォを持ち出したので、この癖がついたのはここ4,5年だ。前のワールドカップの時はやってなかったかもしれない。今20代くらいの世代にとって、このいつの間にかすんなり受け入れている時代の変化に、いったいどれだけの人が戸惑っただろうか。

スマフォが出現して変わったことはほかにもある。つい最近までTSUTAYAでCDを借りていたのだが、相次ぐTSUTAYAの閉店で気づいた、もうみんなCDは聞かないのである。

小学生の時、まずほしがったCDといえば、だんご3兄弟。ついでポケモンの覚え歌だろう。少しませ出してからポルノグラフティの「アゲハチョウ」、一気に邦楽ロックにはまったスピッツ。当時好きだった女の子が聞いていたラルクアンシエル。そして、音楽が趣味の大きな柱となるきっかけになった、BUMPOFCHICKEN。4っつ上の兄が買ってきたアルバム「jupiter」は、自分の人生に少なくない影響を与えた。

音楽を聴くにはCDだ。レコードやテープなんかよりも音質がずっとよく、表面や歌詞カードをオシャレに彩り、ジャケットにアルバムやシングルの意味合いをにおわせた。流しっぱななしにしていると、長い無音からいきなりボーナストラックが始まる。CDにはいろいろ遊びがあり、アーティストはアルバムを作ることことにちからを注いだ。

しかしその時代は終わったのだ。音楽はCDからMDに取り込む時代も、コンピューターに取り込んでアイポッドで聞く時代も終わった。みんなspoyifyやapplle music、そしてYoutubeで聞くのだ。

アルバムで聞かれることも少なくなった。なぜならご親切にアプリたちがおすすめしてくれるから。どのアプリも月額料金は半端なく安いし、Youtubeに至っては無料。お金が手元にない学生たちは、そりゃあCDに見向きもしないだろう。

中学生のころ友人とrock‘in on japanやrock‘in onを読み込んだものだ。好きなアーティストのインタビューにかじりつき、彼らが昔何を聞いていたのかを探った。そしてTSUTAYAで迷いながら見つけ出し、聞いてみてはまれば今度はそのインタビューを、、、と、このように繰り返した。そうして自分の好きな音楽の村を育てていった。ジャンルほど広くはないが、オムニバスでははみ出てしまうような。

しかしいまのロック好きたちはその村を持たない。境目なく均等に広がっている。つまみ食いの連続で、広いがとらえにくい音楽観。ギターが脇役に下がる時代の流れと同様に、均一性が際立つアーティストが増えるだろう。

 

先日Buzzfeedjapanのインタビューに答えていた水曜日のカンパネラコムアイの言葉が印象的だ。「私はCD買ってないし、聴かない」アーティスト自らCDを否定する時代になったのだ。

Youtubeや動画制作ソフトの発展も相まって、MVの完成度もアマチュアバンド含め格段にあがている。「売れるにはまず動画から」音楽家がYoutuberを兼任する時代も遠くないだろう。