女は大学に行くな、
前回の記事のタイトルであった「机上は紳士をつくる」
とてもすてきな言葉ではありませんか?
これは本屋で男性ファッション雑誌をパラパラと立ち読みしていた時に見つけたキャッチコピーだ。
「MEN'S Precious 紳士よ オーダースーツを纏え」に書かれていたコラムの表題。
上品さもありながら、違和感も感じられる、心に留まるコピー。
本文の内容もハードボイルドあふれる、昭和が薫る文章です。
「ぽこぽことお湯の沸くポットと、烏龍茶を飲むための小さな茶器が卓上を占めている。古く使いこなされた調度。決してゴージャスでも特別にかまえた場所でもなく、しかし、なんと気持ちがよくなるのか。
一人の旅人が、その傍らにノートを広げ、どこかの海岸で拾ったであろう石と流木をだして、考えごとにふけっていた。ノマドの書斎だ。」
作者によれば、昭和の文豪は、その破天荒さや個性が特に書斎に表れている、そのため、書斎に味がある。そのような文豪を生み出すためには、
逆算的に、書斎が紳士を作る、としている。
また、現代のデジタル化への嘆きも多く割いて書かれていた。「趣がない」ということだ。
確かに、最近の書斎は面白くないのかもしれない。家具やに行ってもシンプルな机が好まれているようだし、色味も統一的だ。作者の指摘するように、畳の上に低い机を置いて、和服で小説を書くものは、もうほとんどいないだろう。これからの書斎はもっとシンプルになっていくのだろうか。iphoneやipadを並べている方が、しゃれていることになる時代が来ているのかもしれない。
さて自分はというと、もれなくこげ茶の木目の至極シンプルな机でSurfaceをカタカタやっている。もっと自分の部屋に情感を持たせた方が、いい文章を書けるかもしれないな。
素直に、この作者の言葉を呑み込んだ。