広告コンテスト いくつも受賞
今日は大阪で雨が降った。雨が降ると革靴は濡れるし傘は持たねばならんしひどく迷惑だ。
会社のお使いを頼まれたついでにランチを食べた。届けた取引先の会社で、ポスターを封筒に入れていなかったことについて小言を言われた。常識だよ、という顔をして指摘する40代の女性社員の歯はのっぴきならぬ黄色さで、ひどく目についた。
堂島近くの居酒屋が昼にやっている日替わり定食を食べてから、コーヒーを飲むために所在なく喫茶店を探した。行き当たりばったりで見つかるわけはないか、とあまり期待せずに折り畳み傘からはみ出た体の一部を濡らしながら歩いていると、偶然にもみつけた。
タバコが吸えて、静かな、昭和が残る喫茶店。四つ角の一つに押し出されそうになりながら建っているビルの一角。一階はカウンター席のみのこじんまりとした店構え。
マスターは60から70の間、白髪交じりで別段整えているわけでもないが不潔な印象はない。しわのよったシャツの上に青いエプロンをしている。
ブレンドコーヒーを頼む。350円。大阪らしい値段設定。
マスターは古びてきたロボットのようにコーヒーを淹れ始めた。動作の一つ一つ機敏だが、一つの工程が終わるたびにブレーキをかけたように一瞬止まる。コーヒー豆の粉を測り終えてカクン、牛乳を補充し終えてカクン。
店内はモーツァルトが流れている。そのモーツァルトを描いた絵が飾られている。
まどろんだ午後の始まり、店内一人きりの静けさに、モーツァルトと雨の音が心地よく流れたいた。
昨日のブログのタイトル、「女は大学に行くな、」は最近話題の広告だ。
女は大学に行くな、
という時代があった。
専業主婦が当然だったり。寿退社が前提だったり。時代は変わる、というけれど、
いちばん変わったのは、女性を決めつけてきた重力かもしれない。
いま、女性の目の前には、いくつもの選択肢が広がっている。
そのぶん、あたらしい迷いや葛藤に直面する時代でもある。
「正解がない」。その不確かさを、不安ではなく、自由として謳歌するために。
私たちは、学ぶことができる。
この、決してあたりまえではない幸福を、どうか忘れずに。たいせつに。
私はまだ、私を知らない。
神戸女学院大学の電車に掲載されている大学の広告は、このインパクトの強い最初の一文からはじまる。一瞥すると時代の移り変わりや大学で学ぶことの尊さなどがメッセージに思われるが、大学側の意図としては
・新制大学として設置認可された最初の12大学であること
・先行きが見えない時代だからこそ、リベラルアーツ教育に意味がある。
・大学卒業後も学び続けてほしい
この3点を挙げている。
特にリベラルアーツ教育といった具体的な大学教育の方針が反映されているとは言えないが、漠然と悩んでいる学生やOLには大きなインパクトがある、おもしろい広告だ。
自分の仕事にもかかわるので、参考にしたい。
大学広告。大谷大学は濃い赤色と「たおやかに」という小さな文字。